国内産のさくらんぼは、早くは2月頃からハウス栽培の品が極く少量ずつ入荷してきます。

ハウス栽培は5月頃が最盛期になり、‘高砂‘佐藤錦‘などの優良品種が出回り、味・品質・大きさの面でも露地栽培を凌ぐ素晴らしい品(正し価格は高額)が入荷され、贈答用や高級料亭などの水菓子として重宝されています。

露地栽培は6月下旬から7月初旬が山形産の出回り頃となり、いずれも高砂種から佐藤錦種、ナポレオン種の順に品種が移り変わって行き、6月中旬から下旬が一番リーズナブルな頃と思います。

但し、さくらんぼは特に、天候によって品質及び収穫量が左右され、梅雨時の特に雨の多い年などは品質の良い状態のものを、お値打ち価格で店頭に並べるのに大変苦労します。

産地も最近では大型の雨除けハウスなどの設備にて品質・収穫の安定に努めています。

ただ、この様に旬の時期が短く天候にもデリケーな果物だけに、真っ赤に熟した小さな実を口にした時の感動や季節が感じられるのかもしれません。

一方の輸入さくらんぼに関しては、5月初旬のカルフォル二ア産早生種(ごく少量)、中旬以降は同産ビング種、6月中旬以降はワシントン産ビング種と移り変わり、約90%が航空便にて輸入されています。

最盛期は5月下旬から7月下旬で国内産の半値から約1/3の価格で販売されています。糖度も高く大粒ですが鮮度(空輸といっても日本の食物検疫など通関があ切れるまで数日かかる)・選別(アメリカでは日本程キメの細かい選別はしていない)の面では、日本のそれより少しばかりおちるものと思われます。

いずれにしても、バリューフォープライスの面では非常に優れたものですので、今後問題点を改善していけば、もっと人気は出るものと思います。又極く少量ながら、オーガニック(有機栽培)のレーニア種という大粒で味の良い品種も入荷され、輸入フルーツの新しい提案も出て来ています。